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課題3.浮遊担体の原料

浮遊担体は現状は廃ガラスを主原料としています。

ガラスは土と同様の成分ですから、摩耗などで粉体になってもプラスチックのように海洋汚染は起こしません。

廃ガラスの多くはカレット等としてリサイクルされており、廃棄されているのは年間約20万t:200万㎥です。試算では1㎢で養殖するためには約250㎥使うので、8,000㎢分で日本のエネルギーの1%分:1万㎢にも足りません。

これに対し石炭灰は年間約1,000万t排出されセメント原料等として有効利用されてはいますが、セメントの生産量の減少等でさらなる利用先が求められています。

私が浮遊担体の開発を始めたのは石油代替燃料と共に石炭灰の有効利用が目的でした。しかし重金属等を含む石炭灰をそのまま使うことは社会的に許容されないので、有害成分を分離できる技術を探していました。

ある日、アオコからエタノールを作る研究をしていた神奈川県産総研を訪問した時、ある実験室に白い粉が置いてありました。

これは何かと聞いたところ、「元は焼却灰」との回答でした。

私が漂白剤で白くしたのか聞き直したところ、「高温還元溶融炉で重金属などをほとんど完全に分離したもの」とことでした。私はこの白い粉:発泡スラグを使って浮遊担体を作ることを考案しました。

浮遊担体は研究仲間の繋がりで微細藻類研究の権威:東京農工大学・松永教授(後に学長、現JAMSTEC理事長)に紹介され、火力事業部の営業さんのご尽力で日本の石炭火力発電所の約半分を保有するJpowerにも「たまには大きな話も良い」と仰って頂き、3者で共同研究を行いました。共同研究終了後も松永氏にはJSTで浮遊担体に関し、言及頂きました。

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​高温還元溶融炉

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​高温還元溶融炉

​溶融スラグの成分比較

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